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Tech 【Interview】”つかみ”も”オチ”も完ぺき!? ロボット漫才が患者を救う未来

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【Interview】”つかみ”も”オチ”も完ぺき!? ロボット漫才が患者を救う未来

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大阪国際がんセンターで、漫才台本自動生成機能を持つ「漫才ロボット」の医療現場での笑いの実証研究が実施された。これまでにも様々なメディアにも注目され、2018年には、M-1グランプリの予選にも参戦した経歴を持つ「漫才ロボット」。今回は「漫才ロボット」の開発・研究を進めてきた甲南大学の灘本明代教授にインタビューを行った。

・人工知能で漫才の台本を瞬時に作成

Q1.漫才ロボットが漫才を行う仕組みについてご説明いただけますでしょうか。
漫才ロボットは、ユーザがお題(キーワード)を与えるとそのお題に関するニュースをインターネットから取得し、人工知能の力で1~2分で漫才台本を自動生成しそれを2体のロボットが演じます。生成される漫才台本は、「つかみ」「本ネタ」「オチ」からなります。つかみは初めのひと笑いで、季節の挨拶を行います。本ネタは、漫才の主軸となる笑いでニュースの流れに沿って、その文から様々なボケ(面白おかしい対話を1つのボケと呼びます)を自動生成します。ボケには、言葉遊びボケ、過剰ボケ、感情ボケ、対立ボケ、ノリツッコミ等があります。ボケの生成でAIの技術を使っております。オチは、最後の笑いですが、漫才ロボットではニュースの主題によるなぞかけを自動生成して、それを演じます。
Q2.どのような背景から漫才ロボットの開発に至ったのでしょうか。開発経緯についてお聞かせください。
甲南大学では、2008年に新学部である知能情報学部ができました。「知能情報学部」が何を行っている学部かわかりにくいとのことより、この新学部を紹介するロボットと作ろういうことで、まずは1体のロボットを作成しました。その後、お子さんやお年寄りにもわかりやすく何かおもしろいことをロボットにさせようということで、私、灘本が以前からCGを用いて作成していた漫才台本自動生成をこのロボットに演じさせようということになり、もう1体作成しこの漫才台本自動生成のプログラムをロボットに搭載し,漫才ロボットが出来ました。その後,2015年度より学内のプレミアプロジェクトに採択され,漫才ロボットを通して,学生の学びと研究の場として研究開発を進めてきました。さらに,2018年度より、漫才ロボットを医療や介護の現場でのコミュニケーションロボットとして役立てないかとのことより、大阪国際がんセンターでのがん患者を対象とした実証実験を開始しました。

・将来的には医療の現場で活躍

Q3.実際に漫才ロボットの漫才を見た観客の方々からはどのような声が上がりましたか?また灘本先生のお気に入りのネタは?
爆笑とまではいかないまでも、微笑んでくださったり、クスっとわらって下さったりと多少は喜んでいただいたと思います。コメント欄には,音声合成による関西弁への違和感の指摘や、今後に期待するといったコメントをいただきました。漫才は人工知能の力で,作る度に変わり、同じ漫才を作り出すことができないことが特徴です。我々もその場で始めてわかるので、その点が面白いといえると思います。これまで種々の漫才を生成してきましたが、やはりスポーツ関連に関する漫才ネタが一番良くできると思います。
Q4.現状の「漫才ロボット」の課題と、実用化に向けての取り組みなど今後のお話をお聞かせいただけますでしょうか。
将来的に医療や介護の現場で活躍できるコミュニケーションロボットになればと思いますが、現状ではまだまだというところです。初めは実際の漫才師の方々が用いている漫才台本の生成を目的としていましたが、種々実験を重ねるに従い、ロボットが演じる漫才は人が演じる漫才とは異なるところで観客が笑ったり面白いと思うことがわかってきました。今後,ロボットが演じる漫才とは?を考えながら、笑える漫才台本の自動生成をしてゆきたいと思います。また、観客の反応をみながら、随時台本を変えられるような仕組みを作ってゆきたいと思います。これには、まずある程度笑える漫才台本の生成が重要であると考えます。さらに、現状ではロボットの動きは単純ですが、今後台詞だけでなくロボットの動きをどのようにしたら良いかも考えてゆきたいと思います。

大阪国際がんセンターでの実証実験の解析結果は今後論文として発表される予定とのこと。医療の現場などで漫才ロボットがどのように生かされていくか、実用化について注目が集まっている。

甲南大学灘本研究室

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