この実証実験には、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)や大手スーパーマーケットチェーンのウォルマート(Walmart)らが参加する。
・米国の食料費補助制度「SNAP」がネットスーパーでも利用可能に
米国では、SNAPの受給者数が2017年時点でおよそ4207万人で、そのうち15%に相当する291万人がニューヨーク州で居住している。SNAPでは「EBTシステム」が導入されており、受給者が「EBTカード」と呼ばれるデビットカードのようなカードを使って小売店で食料品を購入すると、その代金が受給者の口座から差し引かれ、小売店の口座に入金される仕組み。
今回の実証実験では、受給者が「EBTカード」を使ってネットスーパーで食料品を注文し、オンラインで決済できるようになる。
・アマゾンとウォルマートが実証実験に参加
アマゾンは、ニューヨーク州のSNAP受給者を対象に、有料会員制プログラム「Amazonプライム」の会費を免除。受給者は、加工食品や日用品を扱う「プライム・パントリー」や生鮮食品を扱うネットスーパー「Amazonフレッシュ」で、「EBTカード」によるオンラインでの食料品の購入が可能となる。
一方、ウォルマートは、独自の取り組みとして、2017年9月以降、ネットスーパーで注文した商品を店頭で受け取る「Online Grocery Pickup」を対象に「EBTカード」の利用を認めてきたが、今回の実証実験への参加を通じ、この取り組みをさらに広く展開していく方針だ。(文 松岡由希子)
USDA / Amazon.com / Walmart