・小型人工衛星で文字や絵を表現
ロシアのスタートアップStartrocketが考案したのは、夜空に巨大な広告を投影する“宇宙看板”。小型人工衛星CubeSat(キューブサット)をピクセルのように低軌道に配置し、ブランドのロゴやキャッチコピーを表現するというものだ。広告媒体として利用する他、地球規模のイベント告知や大規模停電などの緊急事態に通知を出すこともできる。開発元いわく、この“宇宙看板”は50平方キロメートルの範囲内であれば6分間隔で広告をディスプレイできるとのこと。そのために必要なのは約200個の小型衛星。これらを低軌道の高度約500キロメートルに打ち上げるのが現在の目標だ。
しかしこのアイディア、決して肯定的な意見ばかりではない。英国王立天文協会の副理事長であるロバート・マッセイ氏は、「地上の光害を増長し、夜空の眺望を破壊する行為」と非難。宇宙観を乱すことになりかねない、と警告を発している。
・世界初の宇宙看板デビューは2021年!?
そんな意見をものともせず、当のStartrocket社は夢の実現に向けて着々と準備中。最初のスポンサーは大手飲料メーカーペプシコとのうわさだが、企業側はこれを否定している。今後のスケジュールだが、まず今月中にSkoltechを使って成層圏気球のディスプレイの技術的解決策をテスト。10月 にはアンカー投資家のためのショーを披露。11月に生産拠点を選定し、起動コントロールセンターを開設する。同時に最初の打ち上げを準備、成功次第販売を開始する予定。すべてが順調に進めば、2021年1月には世界初の宇宙広告を夜空に見ることができるだろう。
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