その筆頭が学生と企業の採用ミスマッチ。現実とのギャップに思い悩み、入社早々辞めていく若者が後を絶たない。就職活動は恋愛と同じだ。まず、お互いをよく知ること。それこそ双方のすれ違いを防ぐのに最適な手段ではないだろうか。
今回ご紹介する「ビデオマッチング」は就活生と企業それぞれが自己プレゼンテーションすることで、双方向へアプローチできる就活SNSサービスだ。最大30秒の自己プレゼンテーション動画を通して、直感的かつ効率的なマッチングを行う。
提供元は昨年創業のビデオマッチング社。代表取締役の満居 優(みつい まさる)氏に話を聞いた。
・企業と学生がSNS感覚で日々ウォッチし合う
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけからお聞かせください。大手広告代理店やベンチャー企業にて学生面接を数多く経験する中で、5年以内での早期退職(転職)が年々増えてきている、と実感していました。Q2:本サービスを利用することで学生の就活はどのように変わっていくのでしょうか。
1つの企業で生涯を過ごすという価値観の形骸化や働き方の多様化という時代背景もありますが、それに加えてワンウェイな旧来型の採用方式が、互いのミスマッチを招いているのではないでしょうか。(中略)
そうした課題に対し、面接前に就活生と企業はお互いをもっとライトに知る必要があるのではないか、もっと直感的に互いを見て理解し合い、ワンウェイ(一方的)ではなくインタラクティブ(双方向的)なコミュニケーションを図る必要があるのではないか、と考えました。それが「ビデオマッチング」開発の理由です。(サービスを通して)エントリーシート(ES)ならぬエントリームービー(EM)の文化を作っていきたい、と思っています。
就活ルールの撤廃によって実現すべきは、通年採用の文脈だと思っています。そのために必要なのは、就活生と企業の両者が今よりもっとライトに互いのリアルを知ること、SNS感覚で日々ウォッチし合うことです。そうすることでお互い相性のよい企業(学生)を見つけられるのではないでしょうか。(中略)
(今後)就活はよりライトなものとなり、就活を通して企業を知り、自分を知るという人生における気付きに変わっていくでしょう。弊社では企業と就活生のフェアなあり方をこれからの就活文化として育み、採用ミスマッチ減の一助として本サービスを育てていくつもりです。
・ベータ版ローンチに向けて動画コンテストを開催
Q3:サービス開発にあたって最も苦労したのは、どのようなところですか?ターゲットとなる18〜23歳あたりは、アプリに対するリテラシーが高い層です。ちょっとしたデザインやUI/UXなどで離脱に結びつくケースが多いため、彼らに刺さるサービスを研究することに時間を要しました。Q4:春先にはベータ版をリリースするそうですが、正式版はいつ頃になるのでしょうか。それまでの展開と併せて教えてください。
就活アプリ、転職マッチングアプリ、SNSなど、とにかく流行っているアプリとそうではないアプリをダウンロードして研究しましたね。学生が動画をどこまでアップロードしてくれるかどうかが読めなかったため、大学生にヒアリングし、それに応じてさまざまなシミュレーションを行いました。
4月下旬から5月初旬頃にベータ版をリリースする予定でしたが、急遽動画コンテストの開催が決まったこと、開発環境の都合により6月中旬を目処に準備を進めているところです。
まずは新卒学生向けサービスとしてスタートを切りますが、近日中にアルバイト・パート採用、および転職向けサービスとしても随時リリースするつもりです。
文中で述べた動画コンテストは現在、専用サイトで申込み受け付け中。指定された中から好きなハッシュタグを最大3つまで選択し、動画をアップロートするだけ。サービスを知るとっかかりにもなりそうだ。就職活動中あるいは考えている人、応募してみてはいかがだろうか?
ビデオマッチング(学生自己PR動画コンテスト)