SF映画に出てきそうな話だが、実際に構想が練られている。このほど国連の話し合いでも水上都市が地球温暖化対策の一つのソリューションになると取り上げられた。
・コミュニティごと洋上に
国連の副事務総長Amnia Mohammed氏が先日開かれた会合で言及した水上都市構想は、Oceanix社などのビジョンが反映されている。Oceanix社はフランス領ポリネシアで観光大臣を務めたMark Collins Chen氏が昨年立ち上げた会社で、コミュニティごと洋上に持ってくるという点で他の水上生活アイデアとは一線を画すものだ。プランでは1都市に最終的に1万人が住めるようになるという。
・持続可能性を追求
同社の構想は、海岸から1マイルほど沖合に人工の“島”を浮かべ、それらを互いに近くに配置することで都市を形成するというもの。公開されているイメージ図を観ると、島と島を橋でつなげたりしているほか、水上タクシーや空飛ぶタクシーが移動手段として使われている。また、島では穀物や野菜も栽培し、水は海水を淡水化するなどして持続可能な暮らしを実現するとのこと。
もちろん、排出されるゴミなどの処理、島で生産できないものの調達など現実的には詰めなければならない点が多数ある。しかし、この水上都市構想に国連が注目しているのは、地球温暖化に伴う海面上昇で水没する島や都市が近い将来出てくることが予想されているからだ。
フランス領ポリネシアや、国連本部が置かれているニューヨークのマンハッタンも水没のリスクを負っている。
Oceanix社は水上都市構想の実現に向け、まずニューヨークのイーストリバーにプロトタイプの島を浮かべることを目指す、としている。
Oceanix