ただ、病気によっては服用忘れが深刻な事態を招くこともある。そこで米フロリダ拠点のetectRxが開発中なのが、服用をアプリやダッシュボードで追跡・管理できる「ID-Cap」システムだ。
・胃の中から無線信号
このシステムはIDカプセルとリーダー、そしてアプリで構成される。カプセルの中に薬を入れ、通常のタイプと同じように飲み込む。すると、消化器官内でカプセルが溶け、薬とIDタグが放出される。薬はそのまま吸収され、IDタグは胃酸に反応して小電力の無線信号を発する。その信号を、患者が首から下げるリーダーがキャッチする仕組みだ。
・ダッシュボードで情報共有
リーダーにはBluetoothモジュールが組み込まれていて、無線信号を受信したらスマホアプリに知らせ、さらにはそこからオンラインダッシュボードに情報がリアルタイムにいく。つまり、服用を患者本人や家族、医師で共有することができるわけだ。服用をしなかったらアラートが届くようにも設定でき、これにより服用を確実なものにできる。
ちなみに、用済みのIDタグはそのまま便とともに排出される。
このシステムはまず、HIVの発症を抑えるのに役立つ薬の服用での使用を想定していて、現在、米国FDA(食品医薬品局)の認可待ちという。
etectRx