Googleの研究者らは、プリンストン大学、コロンビア大学、MITの研究者らと共同で、任意のモノを正確に拾い上げて投げるやり方を学ぶロボットアームを開発した。
「TossingBot」と呼ばれるこのロボットは、部屋の整理や工場内の輸送プロセスを効率化するとともに、災害現場での活躍も期待される。
・バナナやピンポン玉をエレガントに投射
ご想像の通り、不均衡な形をしたモノを正確に投げることは人間にとってかなりむつかしい。TossingBotは、バナナやピンポン玉、ペンといったさまざまなモノを拾い上げてエレガントに投げるコツをマスターする。驚くべきは、これらの方法を学ぶのに人間に介入が最低限で済むこと。つまりTossingBotは、自分で試行錯誤するうちにつかみ方~投げ方を身につけていく。
新しいモノの投げ方をマスターするまでに要するのはわずか1~2時間程度。これまで投げたことのないスポットに投げるコツもすぐに覚えるとのこと。
・物理学モデルと機械学習により投射精度は85%
投げることは、さまざまな形状のオブジェクトのつかみ方に大きく影響を受ける。そのため、つかむ~投げるまでの学習は同時におこなわれ、投げるのが成功したかによって、つかむのが成功したかどうかを判定する。機械学習の前に、まずは軌道の計算式といった物理学のモデルを利用してモノの着地点や投射速度の推定値を得ている。その後、未知のダイナミクスや環境のノイズなどをニューラルネットワークを利用して学習していき推定値を調整する。
この方法によりTossingBotは、投げることの精度85%を達成している。
TossingBotは、着地の衝突の影響を受けないようなモノの配置に向いており、災害現場で瓦礫を除去したりといった実用化が期待される。
参照元:Google Teaches Robot to Toss Bananas Better Than You Do/IEEE Spectrum
Unifying Physics and Deep Learning with TossingBot/Google AI Blog