・身体データを元に完全パーソナライズ化した寿司を提供
開発元は日本の企業open meals(オープンミールス)。デジタルを利用したFood Singularityで、食の爆発的な進化をめざす新進気鋭の会社だ。そのうちの1つが寿司のSingularity。バイタルや遺伝子といった個々の身体データをベースに、完全にパーソナライズされた寿司を作り出そうというもの。このために同社が考案したのは特製3Dプリンターや人工光ファームなど、先端のテクノロジーを随所に配置したフューチャーキッチン。データ化された食の出力や造形を可能にする“未来の台所”だ。原材料はカートリッジに詰めて撹拌された後、出力。タンパク質、ビタミン、ミネラル、その他の要素を組み合わせて寿司の各部分を印刷する。ヘルスIDに基づき栄養も最適化される。こうして見た目も美しいキューブ型の寿司が完成するというわけだ。
本コンセプトを実現するため同社では、世界初のデジタル上で食をデザインできるOSを開発中だ。料理を構成する要素を分解し、数センチ角の形状に再構成。9つの要素に基づいたアルゴリズムによって世界中のクリエイターが食データを共有し、新たなフードを完成させる。デザインされたデータは【.cube】フォーマットに記録されるシステムだ。
この3Dプリント寿司は、米国オースティンで開催された世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル「SXSW(サウス バイ サウスウエスト) 2019」にも登場。来場者の視線を釘付けにした。
・電通をパートナーにレストランをオープン
ちなみにOpen Meals社は、これを単なるアイディアで終わらせるつもりはない。広告代理店電通とタッグを組み、来年を目処に個々の食事ニーズに合わせて寿司をカスタマイズするレストランを東京にオープンする予定だ。賛否両論ありそうだが、イノベーションに批判はつきもの。認知されるまでに時間はかかるだろう。まずは静観したいところ。
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