EVまたは水素燃料車の購入の際に最大5000カナダドル(約42万円)を助成するというもので、今後3年間で3億カナダドル(約250億円)を見込んでいる。
・380万円以下の車が対象
カナダではケベック州やブリティッシュ・コロンビア州などが独自にEV購入のインセンティブを展開してきたが、全国的な助成金の導入は初となる。2019年予算案では、希望小売価格が4万5000カナダドル(約380万円)以下のEVまたは水素燃料車の新規購入が対象、としている。この4万5000カナダドルという制限が一つのポイントで、TeslaのModel Sなど高級な車はEVであっても対象外となる。
つまり、一部の富裕層ではなく、国民の大多数を占める世帯でのゼロエミッションを促進することを目的としている。
・ステーションも拡充へ
一方で、カナダ政府はEVの浸透を促進するため、充電ステーション拡大も図る計画だ。充電ステーション分野を管轄する天然資源省に今後5年間で1億3000万カナダドル(約110億円)の予算をあてる方針。この予算をもとに天然資源省は職場や公共駐車場、商業ビル、住宅ビルなどでの充電ステーションの設置を進める。
EVが環境に優しいのはわかっていても、現実としてはガソリン車よりも値が張るために、購入を見送るケースは多い。そこをカバーするのが今回のインセンティブだ。
全国で導入するという世界でも先を行くこの制度が、カナダでどのくらいEV浸透を高められるのか、国内外から注目を集めそうだ。
カナダ政府ウェブサイト