そうしたメジャーリストにはのぼらないものの、ユニークで環境に優しい検索エンジンがある。ドイツ拠点の「Ecosia」だ。同サイト内の広告をユーザーがクリックすると、広告収入の80%が熱帯雨林の植林活動を行う慈善団体に寄付されるというもの。昨年8月に再スタートして以来、順調に利用者を増やしている。
Ecosiaの利用方法は、他の検索エンジンと変わらない。ユーザーが検索エンジンサイト内の広告やスポンサーリンクをクリックする回数に応じて、広告主から検索エンジン側に広告料が支払われるのも同じだろう。その広告料の大半が、ブラジルでの植林活動に充てられるというのがEcosiaの特徴だ。つまり、ユーザーが検索をしながら環境保全に一役買えるということになる。
最近のEcosiaの月間アクティブユーザーは250万人。ユーザーベースも増加傾向で、昨年8月以来40%増加したという。同サイトの検索ボックスの下に植林数が表示されるようになっていて、それによるとこれまでに17万7600本超の木が植えられた。
木々は二酸化炭素を吸収して酸素を放出するというのは多くの人が知っているだろう。ブラジルを含むアマゾンの熱帯雨林はそうした重要な役割を担っているが、近年は伐採による環境破壊が問題となっている。
そうした中、Ecosiaの取り組みはブラジルの熱帯雨林に“地球の肺”ともいえる機能を取り戻そうというものだ。日々のインターネット検索をしながらそうした意義ある取り組みに参加できるというのは、ブラジルから遠く離れた日本に住む私たちとって貴重な手段ともいえそうだ。
Ecosia