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中国が宇宙にメガワットソーラー建設を計画、NASAは数10年前に頓挫

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宇宙開発をめぐる覇権争いが熾烈を極めている。メインプレイヤーはアメリカと中国だが、特に中国は2022年までにISSのような宇宙ステーション建設を目指すなど、国力を総じて宇宙開発を推進している。

そして今度は、2050年までに宇宙空間に太陽光発電所を建設する計画があることを明らかにした。

目的の1つは宇宙ステーションへの電力供給かもしれないが、より重要なのは地球への送電だ。

・ネックは打ち上げコスト

実は、宇宙太陽光発電に関しては、数10年前からNASAが幾度か計画してきている。ただ、巨大な建設物をロケットで打ち上げるには回収しきれないほどの莫大なコストを要するのが主な理由で、すべての計画は頓挫。すでにスタンドアロン型の宇宙太陽光発電所のアイデアを放棄している。

ただ、当時に比べると宇宙開発をとりまく環境は、近年大きく変わってきている。

第一、Space XやBlue Originなどの民間宇宙開発機関のおかげでロケット打ち上げコストが劇的に下がってきているし、大量生産のモジュラーデバイスを小分けに打ち上げ、ロボットが宇宙で組み立てるといったことも技術的に現実的なものになってきた。

太陽光パネルも薄型軽量化してきており、これらの要素が打ち上げコストを抑えてくれるだろう。

・地球上どこにでも安定した電力供給を

宇宙に太陽光発電所を作るメリットは、天候や日照時間にとらわれず常時安定して電力を生み出せること。その発電効率も高い。また、発電したエネルギーはレーザービームを使用して地球に送られるが、極を除いた世界の地域への送電が可能となる。

こうしたメリットから、アメリカではNASAではなく米軍が宇宙太陽光発電を模索しており、これが実現すればアフガニスタンのような遠隔地にも安全で安定した電力供給が可能となる。

地球に入る太陽エネルギーの総量が増せば、気温が上昇するとの懸念もあるが、火力などの発電を代替することで温室効果ガスの排出量の削減に繋がり、結果として有益との見方もある。

NASAによる莫大な予算を伴う長期計画は、政権交代の影響を受けて実を結ばなかった事実もあるが、長期政権の中国は長い見通しを持って計画を進めることができるだろう。

参照元:China plans a solar power play in space that NASA abandoned decades ago/CNBC

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