Q.日本は世界的に見ても自殺者が多いことで知られていますし、職場のウツの問題もよく聞く話です。
カウンセリングを受けられたユーザーさんの症状が重く、通院を必要とすると判断されたときの流れを教えてください。
「現状のカウンセリングの方法に関しては、それぞれのカウンセラーの指針であり、私たちはmentaを運営する上でも、機密保持の上でも、その内容は管理しないようにしています。
(中略)悩みを持つ方が、心療内科やカウンセリングオフィスに気軽に行けるように、紹介ではなく、橋渡しをする、というのがみなさんやられていることと認識をしています。
また、私たちは、ITやアプリと異なり、事故を1番恐れています。(中略)日本では慎重論が多い中で、少しずつ一歩を踏み出していく方針です。
現状、未曽有のトラブルが起こらないように丁寧に拡大せず、じっくり進めています。その一方で、全国にカウンセリングのオフィスを開設、心療内科との連携、不登校やいじめに悩むお子様、発達障害などの問題について学校へ提案する。など様々な展開も視野に入れております。」
Q.今後独自のモバイルアプリや悩み相談に使うためのアプリを開発したり、他社と提携する予定はありますか?
「私のジレンマは、本質的には他の多くのけがや病気のように、すぐに治る、すぐに悩みを解決するとPRをしてはいけない(ことです)。
私たちも、悩み考えながら一歩進めていく。この事業は「儲からなかったらやめる」という、簡単なことではないと考えています。(中略)一気にPRをして、相談者を増やして、カウンセリングレベルの低下(するの)が恐ろしいことです。
私たちと同じように、慎重に進めているメンタルケアに関する様々な団体と、リアルとオフラインでサポートする準備はしています。」
mentaは、ユードーの人気アプリ「斉藤さん」のサービスの一部としても若い世代のユーザーにも窓口を広げている。
「斉藤さん」はアマチュア無線が元になったと言う「見知らぬ誰かと一期一会を楽しむ」アプリだが、一部のユーザーに機能を悪用されて批判が出ることもあった。「斉藤さん」アプリとそのカウンセリングについても話を聞いた。
「慎重に考える一方で、私どものテレビ電話アプリ「斉藤さん」では、1日5000人以上、トータルで900万人のDL実績がありまして、このサービスの中でmentaを設置して、気軽に『勉強の悩み』『就職について』など、相談ができるサービスを12月より投入しております。
これは、難しい悩みの解決をしているカウンセラーにとっては、難度が低く、さらなる活躍の場になること。相談する方も中島らもさんが80年代に新聞で担当していた『明るい電話相談』のように、些細なことでも相談ができる。そういったすそ野を広げることも実施しています。
(『斉藤さん』アプリは)本来は斉藤さんに向けたテレビ電話サービスとしてスタートしたはずが、ものすごい勢いで2年間ユーザーを獲得して、その一方で出会い系とされていることに、強いショックを受けていました。
しかしながら、基本的に遠方とつながる斉藤さんは出会えないので、利用者はリアルでは聞けない話や、悩みを知らない人に聞いてもらえることがうれしくて、熱狂的な方が多いと認識をしています。
重い悩みになる前にこういったカジュアルなサービスで相談できることも、私たちができることであると考えております。」
『心のインフルエンザ』とも言われ、ちょっとしたきっかけで発症する職場のウツの問題もよく聞く話。新年早々会社で胃が痛くなったら、胃薬と共にちょっと立ち止まって気軽に相談してみるのも良いのかもしれない。
menta
ユードー
(Writer: Saera Jin)