そんななか、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学が太陽光の15%を直接水素ガスに変換するパネルを開発した。
・水素とソーラーパネルの特性
水素は電気と熱の両方に変換でき、温室効果ガスや有害物質を放出しないクリーンな資源だ。しかし、欠点もある。高価で可燃性が高いため、製造および貯蔵が困難だと考えられており、ほとんどの水素ガスは石油とガスを使って製造されているため、気候や環境にとって優しいとは限らないのが現状だ。
そして、クリーンエネルギーの代表格であるソーラーパネルは太陽エネルギーの18〜20%を電気に変換するが、その後、その電力を使って水を水素と酸素に分割するときに、多くのエネルギーを失うという短所もある。
・太陽光の15%を直接水素ガスに変換するパネル
そこで、水素の特性を利用しながら水素ガスとソーラーパネルの現状課題を解決しようと、研究チームは太陽光の15%を直接水素ガスに変換するパネルを開発した。この変換率は、貴金属や他の高価な素材を使わない機器として世界記録である。
パネルの大きさは1.6m²。1枚のパネルで1日250リットルの水素ガスを生産できる。20枚のパネルで冬の間一家庭の電気と熱を賄え、40枚のパネルで 1年間電気自動車を動かせると研究チームは見積もっている。
研究チームは、まもなく大学周辺の家にパネルを実際に設置して、パイロットプロジェクトを開始する予定だ。
グリーンエネルギーの未来を大きく変えるかもしれないルーヴェン・カトリック大学の発明。今後の展開に注目していきたい。
Catholic University of Leuven
VRT NWS