そんななか、ニューヨーク東部のコロンビアでは世界一美しい発電所が存在感を露わにしている。回転するたびに視覚的興奮が味わえる、チューリップのような形をした風力発電所だ。
・イスラエルから米国、そして世界へ
注目の発電システムを開発したのは、ニューヨークの環境系スタートアップFlower Turbinesである。2008年、人文学、経営学、医学の3分野において学位を有するダニエル・ファーブ博士が設立に関与。当初はイスラエルに拠点を置くLeviathan Energy Wind Lotusとして存在していた。
その後、社名変更を経て、2013年、ニューヨークにてFlower Turbinesとして生まれ変わった。ユニークな風力発電事業を世界レベルで展開させるためだ。
・省スペース、省電力を実現
基本的に、新たな発電所を設けるには広大な土地を確保する必要がある。ところが、Flower Turbinesが生み出した特許取得済みの発電システムは狭いビルの屋上にも設置可能だ。既存の風力発電を稼働させるのに風速6メートル毎秒以上の風が必要であると言われている。一方、Flower Turbinesの風力発電の場合、風速2メートル毎秒、つまり木の葉が揺れ動く程度の微風で電気を起こすことができる。
近年、風力発電の小型化が進んでいるが、既存のものよりも安価であるうえ、省スペース、省電力を実現。さらに、騒音の心配もなし。次世代の発電システムとして普及する日も近いだろう。
Flower Turbines