前澤社長で有名なZOZOTOWNがの子会社ZOZOUSEDが運営する「ZOZOTOWN買取サービス」だ。このサービスはZOZOが保有するデータや機械学習を導入し、高精度で値付けができたり、持っている服を簡単に資産化できるというもの。サービスについて株式会社ZOZOUSED MD部の佐々木北都(ほくと)氏に話を聞いてみた。
ZOZOの強みを活かしたサービス
Q1 ZOZOUSEDの概要について簡単に教えて下さい。ZOZOUSEDは2012年11月スタートしたZOZOTOWN内のブランド古着のファッションモールです。8000以上のブランド・常時60万点以上のカジュアルブランドからハイブランドまで幅広いアイテムから「もっとオシャレしたい」「憧れのブランドが欲しい」というユーザーにお得にブランド古着を届けています。Q2リユース市場の動向や、御社のサービスの強みを教えて下さい。
※中古市場ネット部門1位(リサイクル通信2019年2月号より)の規模へ成長
また、ZOZOTOWN買取サービスでは、お客様が簡単にお洋服を売れるサービスを提供しています。その中でも、下取りサービス「買い替え割」は便利なサービスとしてご利用いただいております。
近年、中古市場は拡大し、着なくなった洋服は捨てるのではなくリユースすることが文化になりつつあります。ユーザーインタビューでも「いくらで売れるか確認してから洋服を買う」と言った声も耳にします。ZOZOUSEDでは、洋服の価値の可視化からZOZOグループのエコシステム構築を実現し、リユースファッションの文化を創造したいと考えています。車の下取りと同じような感覚で服が資産と考えられる新しいサイクルの文化が生まれることで、近い未来には、洋服を売っているという認識や概念がなくなるかもしれません。
この未来を実現するためには、洋服の価値・価格を可視化することが焦点となってきます。当社のサービスの強みの一つとして、ZOZOTOWNで過去に購入した商品をその場で下取り金額として割引されて洋服が購入できる「買い替え割」サービスがあります。これによって、ユーザーはZOZOTOWNで購入した手持ちの服であれば資産価値が数字として可視化され、割引に使えるため買い物の幅が広がりますし、当社にとっては人気のある商品を買い取ることができます。また、当社ではZOZOグループが保有する膨大な新品流通時のデータとZOZOUSEDで過去販売した中古商品データを掛け合わせ、洋服の価値のより明確な可視化を可能にしていきます。具体的には、2019年1月から一部の商品において、機械学習技術を用いた販売価格予測モデルによる査定システムを導入しており、その結果人気の商品は以前より高い買取金額を提示できるようになりました。実際に予測モデル対象商品に対して、売れる価格が高精度で予測できるようになったことで、今までよりも一点あたり平均200~300円高い買取価格をお客様に還元できるようになりました。
Q3機械学習を導入した際、苦労した点やこだわりについて教えて下さい。
新品流通時の情報を元に二次流通時の適正価格を予測するという取り組み自体が前例のないことなので、予測モデル構築、テスト、検証、システム実装とどのフェーズも一筋縄ではいかず、社内外を巻き込み進めていくのに苦労しました。Q4今後の展開、展望があればお聞かせください。
また、周りから見て値付けの根拠が完全にブラックボックスになるということは望ましくないということと、実装後の運用を見据え、解釈可能性が高くチューニングのコストが低いモデルを採用したことが工夫した点です。結果として、一定の精度を継続しながらスピード感を持って実装まで達成できたと考えております。
まずは、予測モデルを適用できる商品のカバー率を上げていくことと、予測価格の精度向上を図っていきたいです。より高精度に販売価格を予測できれば、売れ残りリスクに対する余分なバッファを持たなくても良いので、より高い買取価格としてユーザーに還元できるようになります。今後の展望としては、個人がもっと洋服を買ったり売ったり、下取りに出して新しい洋服を買ったりというリユースファッションの文化を後押しするために、機械学習技術を活用していきたいです。ZOZOTOWNで扱っている以外の洋服に関しても価格予測ができるようになれば、クローゼットにある全ての洋服の資産価値を可視化できるかもしれません。今後も新品から二次流通に至るまでのデータを保持する当社独自の強みを活用し、洋服の価値を可視化することで、よりファッションを楽しめるような未来を目指していきます。ここ最近、前澤社長やZOZOSUITなどが話題になることが多かった同社。リユース×機械学習というトレンド2つをぶつけたサービスにも注目したい。
ZOZOUSED
買い替え割
ZOZOTOWN買取サービス