・1年かけて進化形3Dプリンターを開発
同団体が3Dプリント技術を活用した住宅製造の研究を開始したのは2018年のこと。アメリカのテクノロジー企業ICONと提携し、専用の3DプリンターVulcanによる家の出力を試みてきた。あれから1年。ICON社はさらに進化した印刷機「Vulcan II」を開発。33×11フィート(約10×3メートル)の巨大なマシンで、1日かけずに家を建てることができる。今年の後半には50戸を目標に住宅の印刷が開始される予定だ。建設予定地はラテンアメリカの半農村地域。月に200ドル(約2万3000円)以下の収入で暮らす貧困地帯だ。New Storyは当初、エルサルバドルのコミュニティに住宅を建設することを計画していたが、現地パートナーからの提案や、土地へのアクセス、ユーティリティを設置するためのスケジュールなどさまざまな要因を考慮した結果、この地域に決定したという。
・デザイン会社とも提携
この建設に先駆け、New Storyはデザイン会社のFuseprojectとも提携。より高品質なデザインをめざしていく所存だ。住宅1戸の価格は現段階では不明だが、一般的な低価格住宅より大幅に安くなるのは間違いないとのこと。完成した住宅の入居者は収入に基づく現実的な料金を、毎月無利子で支払っていく。そのお金は住宅コミュニティ改善の基金として活用される。New Storyではこのプロジェクトの次の段階をすでに見据えている。「Vulcan II」を駆使し、世界中のホームレスに家を与えるという計画だ。しかし、それはまだまだ先の話。まずは、最初のコミュニティ建設の成功に期待したい。
souce by Fast Company