そこで、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが光学イメージングシステムを使って体の奥深くにできた小さな腫瘍を確認できる手法の開発を進めていて、将来はもっと早くに発見できるようになるかもしれない。
・ハイパースペクトル画像を活用
この手法は「DOLPHIN(Detection of Optically Luminescent Probes using Hyperspectral and diffuse Imaging in Near-infrared)」と呼ばれ、名称にある通りハイパースペクトル画像を活用している。具体的には、波長の異なる複数の近赤外線を出すことができるナノ粒子を含むプローブを飲み込んで体内に入れる。そして、プローブから発せられる信号を体の外側でキャッチし、特殊なアルゴリズム分析にかけるというものだ。
・まずは卵巣がんで
マウスの実験では長さがわずか0.1ミリのプローブが体内できちんと作動することが確認され、深さ4センチのところでもプローブの存在を確認できたという。この成果を踏まえ、研究チームはこのプローブが体内を通る際に腫瘍を蛍光色に光らせて見つけられるようにする。これにより、開発チームは0.1ミリ程度のかなり小さい腫瘍を発見することが可能と考えている。
チームはまずこの手法を卵巣がんの発見に活用し、その後すい臓がん、脳腫瘍、皮膚がんへと広げたい考えだ。いずれも初期発見が難しいタイプだけに、実用化されれば多くの命を救うことにつながるかもしれない。
MIT