クレジットカードやモバイル端末での支払いが急増している昨今だが、そうしたものを持たない人々に配慮したもので、違反した場合、最大2000ドル(約22万円)の罰金が科せられる。
・口座を持たない人に配慮
キャッシュレスは、支払う側が現金を財布から取り出す手間が省けるというメリットがあるだけでなく、実は店舗にとっても利点がある。売上計算など管理が容易になり、精算にかかる時間も短縮できる。また、米国で頻繁に発生する強盗に遭った場合も現金を持ち去られるリスクを減らすことができる。
ただ、市民の中には銀行口座、さらにはクレジットやデビットカードを持たない人もいる。そうした人が、たとえばコーヒーひとつ買うにしても“現金お断り”であれば買えなくなることがあってはならない、というのが条例の趣旨だ。
・NYやシカゴでも検討中
ただし、例外もある。駐車場やオンラインサービス、そしてコストコのような会員制の小売、クレジットカードによるデポジットが必要となるホテルやレンタカーなどの決済だ。この手の条例を導入するのはフィラデルフィアが全米で初となる。他にも、ニューヨークや、サンフランシスコ、シカゴ、ワシントンD.C.で同様の条例案の導入が検討されているという。
City of Philadelphia