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AIで新手法?気候実験データから台風発生の予測が可能になる?

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国立研究開発法人海洋研究開発機構地球情報基盤センターの松岡大祐技術研究員らは、国立大学法人九州大学大学院システム情報科学研究院の内田誠一主幹教授らと共同で、ディープラーニングによって、発生前の熱帯低気圧の予兆を示す雲(熱帯低気圧のタマゴ)を精度よく検出する手法を開発。

人工知能(AI)技術を活用した新しい台風発生予測の実現に向けて大きな手掛かりを得たようだ。

・ディープランニングは気象分野でも活躍

近年のAI技術の発展は目覚ましく、ビッグデータ中に潜む特定のパターンを反復的に機械学習し特定の事象を検出するディープラーニングが、さまざまな分野でイノベーションを起こしている。そのため、不確実性の高い気象分野においても今後の応用が期待されてる。

ディープラーニングを用いて優れた識別精度を得るためには、1種類あたり数1000枚を超える膨大な量のデータが必要になる。同研究では、20年分の気候実験データに対して熱帯低気圧の追跡アルゴリズムを適用することで、熱帯低気圧のタマゴおよび発達中の熱帯低気圧の雲画像5万枚を生成。

さらに、熱帯低気圧に発達しなかった低気圧の雲画像100万枚と合わせて計105万枚の画像から学習データのセットを10組作成し、深層畳み込みニューラルネットワークを用いた機械学習によって、特徴の異なる計10種類の識別器を生成した。そして、10種類の識別器による結果を総合的に評価することで最終的な判断を行うアンサンブル識別器を構築したという。

・さらに高性能の予測に向けて

本成果によって、NICAMによる気候実験データを用いた熱帯低気圧のタマゴの検出に限っては、高い検出性能を得ることに成功。

一方で、現実の熱帯低気圧の発生を事前に予測するためには、データ同化を行ったシミュレーションデータや、衛星観測によって得られた雲画像に対しても同程度以上の検出性能が得られるよう、引き続き検討を進める予定だという。

国立研究開発法人海洋研究開発機構

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