そうしたギャップを逆手に取りつつ、飲食店を窮地から救うサービスがこの「sukima works(スキマワークス)」だ。人手が欲しい飲食店とスキマ時間に働きたいワーカーを結びつける単発ワークプラットフォーム。すでにミシュラン掲載店や有名チェーン、個人事業店など多数の店舗が登録している。
提供元は2015年設立のYolo。代表取締役の赤荻 心(あかおぎ しん)氏が取材に応じてくれた。
・飲食店と働き手、双方のニーズをマッチング
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけからお聞かせください。知り合いの飲食店の経営者とお話した際に「人手が足りず、売上げが伸びない」と、聞いたことがきっかけです。
飲食店アルバイトの有効求人倍率は 4.18 倍(※ 2018年度 求人検索エンジン「スタンバイ」調べ)に達するなど、飲食業界では労働力不足がますます深刻化しています。一方、働き手としては日払いや単発バイトなど、シフトや給与の受け取り方に制約を設けたくないようです。「すぐ働き、すぐ稼ぎたい」。そんなニーズが増加傾向にあることに着目しました。
「sukima works」はこれらのニーズをマッチングし、飲食業界の労働力不足の解消をめざします。
Q2:サービスの仕組みや特長について、あらためて教えてください。
「sukima works」には主に3つの特長があります。1つは応募にかかる手間を減らしたことです。面接・履歴書を一切なくし、電話番号認証で即応募できます。
2つ目は働きたいときに働けること。現在、都内500店舗を超える飲食店が登録しております。今もワーカーのスキマ時間に仕事が見つかるよう、登録店舗を増やしているところです。4月末までに都内1000店に拡大する予定です。
最後は勤務後にお金を受け取れることです。「sukima works」のお仕事の9割は、当日現金払いになります。「今日お金が欲しい」といったワーカーニーズに答える支払い形態になっています。
・3タップで求人掲載
Q3:開発に当たって最も苦労したのは、どのようなところでしょうか。忙しい飲食店のために、操作の手間を最大限減らしたことです。個人店から大手チェーン店まで幅広くヒヤリングを重ねて議論し、今のデザインにたどり着きました。
人員不足が発生した際は、3タップで求人掲載ができます。おかげさまで飲食店側からも、「非常に使いやすい」と好評です。
Q4:今後の展開について教えてください。
人材不足だけでなく、ゆくゆくは飲食店が抱えている悩みをすべて解決していく会社になりたい。そのきっかけとして本サービスを立ち上げました。
今後は人材だけではなく、働く人と働いてもらう飲食店にとって最適な環境作りのためのサービスを生み出していきたい、と思っております。
人の入れ替わりが激しく、人員の補充が困難な現代の飲食業界。しかし、「sukima works」なら繁忙期でも安定した労働力の確保が期待できる。サービスを通して、いい出会いが生まれる可能性もあるだろう。雇用側も働く側も、まず利用すること。未来はそこから拓かれる。
sukimaworks