しかし、自分が今ストレスを感じていて、暴食行為をしているということに、自身が気づいていないケースもある。悪習慣を少しでも減らすために、Mary Czerwinski氏をリーダーとするMicrosoftの研究チームが、人の気分と過食行為とのつながりを調査する、ユニークなツールを開発している。
これはブラジャーに装着されたセンサーと、スマートフォンの専用アプリで動作する。センサーは、マイクロプロセッサと3.7ボルトのバッテリーを内蔵していて、同時に最大8つのバイオシグナルを追跡することが可能。心電図、皮膚電位を測定する機能や、ジャイロスコープ、加速度計が搭載されているという。
このセンサーが、鼓動や呼吸の作用、皮膚反応を調べ、加速度計とジャイロスコープが人体の動きを感知する。計測されたデータは、スマートフォンのアプリに随時送信されると同時に、開発チームのコンピュータにもデータが保管される。クラウドデータを集め、幸福感と怒りといった感情と、過食との関係性をさらに探り、調査を進めていく予定だ。ただし、今のところこのセンサーは、4時間しか電池がもたないのが難点だろう。
ある実験によると、ストレスにさらされている人と、精神的にポジティブな状態にいる人に、同じようにアイスクリームを与えると、ストレスを感じている人がよりアイスクリームを喜び、そうでない人はあまり食べないという結果が出ているという。つまり、食べることを気にしすぎるのではなく、幸福感をもって食事をすることで、暴食を防げるということ。適度な量を自覚しながら、おいしく楽しく食事をしたいものだ。
Microsoft Mary Czerwinski