こうしたなかGoogelは、同社が提供する分析プラットフォーム、BigQueryを介して、8つのブロックチェーン(Bitcoin、Bitcoin Cash、Ethereum、Ethereum Classic、Zcash、Dash、Litecoin、Dogecoin)の全データセットを公開した。
これらブロックチェーンデータにはもとからアクセスできたが、誰もが扱いやすいフォーマットで提供したことに意義がある。
・ブロックチェーンをリレーショナルデータベースに変換
これまで、ブロックチェーンの中身を見るには、まずそれらを実行するピアツーピアネットワーク上のノードを起動し、その接続を利用して他のノードからのLAWデータをダウンロードする必要があった。既成のデータ閲覧ツールでは、データのフォーマットが分析に適したものでなかったり、数種類のグラフ化された結果が表示されるだけだったりと制約が多く、求める分析結果が得られないこともある。
Googleが目指しているのは、手間をかけずにあらゆる視点に対応したデータが得られるツールだ。方法として、ブロックチェーンをデータベースに変換し、クエリを扱えるようにした。
BigQueryにアクセスすることで、一般的に使用されているSQLによりリレーショナルデータベースからの分析が可能になる。
・外部ツールとも連携してより高度な分析も
Ethereumのようなブロックチェーンでは、標準的なトランザクションに加えて、複数のアプリケーションが実行するスマートコントラクトのトランザクションが記録されている。BigQueryに対応していないアプリケーションの分析のために、データを外部で利用できるような仕組みも用意されている。
また、BigQueryが威力を発揮できるのは、パブリックチェーンのデータ分析のみ。この2年間、あまたのプライベートチェーンが開発されてきたが、こうしたブロックチェーンのデータセットをBigQueryで見ることはできない。
そのようなケースのためには、Hyperledger Fabric上のプロジェクト、Unboundedが提供する「Hacera」がある。Haceraを使用すれば、プライベートチェーンの管理者はデータの公開/非公開を選択できて、例えば総取引量やネットワーク上の参加者数など、データの一部のみを公開できる。
Googleが強力にデータの民主化をおしすすめることで、ブロクチェーンの本来もつ透明性が発揮され、各ブロックチェーンプロジェクトの使いやすさやセキュリティレベル向上にも貢献するだろう。
参照元:What's in a Blockchain? With New Tools, Anyone Can Find Out/IEEE Spectrum