だが、練習のたびにピアノ伴奏やオーケストラ演奏を依頼するというわけにはいかない。そこで活躍しそうなのがオーケストラなどが伴奏してくれるアプリ「Metronaut」。奏者の演奏に合わせて人工知能がテンポやリズムなどを自動調整するというスグレモノだ。
・自分のためのオーケストラ
クラシック音楽を演奏する人のためのこのアプリに使われている伴奏は、実際にプロの音楽家やオーケストラが演奏した音。ユーザーが弾きたい曲を選んで演奏し始めると、それに合わせて伴奏が流れる。このアプリのすごいところは、人工知能がユーザーの演奏を“聴いて”スピードやポジション、リズムなどを自動調整してくれる点。あたかも、オーケストラが自分のために伴奏してくれているような体験ができる。
なので、例えばバイオリンを弾く人がブバイオリン協奏曲を選んだとして、スタジオにいながらして自分に合ったスピードで名曲をオーケストラと演奏できるわけだ。
・レパートリー充実へ
開発元はフランス拠点のAntescofoで、同社はこのほど450万ドル(約5億円)を調達した。この資金調達は、元ソニー会長の出井伸之氏やFacebookのチーフAIサイエンティストYann Le Cun氏、ベンチャー投資会社のDaphniらが主導した。この資金をもとにAntescofoは今後、Metronautのレパートリーを増やすことにしている。同社によると、これまでにアプリは16万回ダウンロードされたとのことだが、コンテンツが充実すればさらなる利用が見込めそうだ。
アプリは、毎月10分までなら無料で利用できる。無制限に利用したい人向けには月単位または週単位での有料プランが用意されている。
Metronaut