また、ヘッドセットは没入感が高い反面、閉所恐怖症的な不快感を感じる方もいるだろう。
こうしたVRディスプレイの欠点を補えるようなプロダクトが登場した。ブリティッシュコロンビア大学の研究者らは、複数人で体験できる球形VRディスプレイを開発している。
・複数の角度から見ても歪みのない3D画像を生成
現在市場に出回っているほとんどのVRディスプレイは、単一の視点からのみしか正しい画像を表示できない。研究者らが開発した球形のディスプレイは、別角度から観てもVR映像が成立するよう設計されている。
ディスプレイには、高度なキャリブレーションおよびグラフィック生成技術により、複数の角度から見ても歪みのない完全な3D画像を映し出す。
まずは2人が同時にVR画像が楽しめるものが開発されていて、今後は最大4人までのものに改良する計画だ。
・TV会議やマルチプレイヤーゲームで活用
「クリスタル」と呼ばれる同システムは、24インチ(約60cm)のボールのような型をしたディスプレイを備えている。グラフィック生成、キャリブレーション、タッチセンシングに使用される4台の高速プロジェクターと1台のカメラはすべて市販のものだ。いまのところ、利用用途としてはTV会議を想定しているようだが、マルチプレイヤーゲームや共同学習、遠隔手術など活用範囲は多岐にわたるだろう。
球型ディスプレイがVRセットを代替することはないにせよ、没入感が不要でリアルタイムで同じ画面を見ておきたいような場面においては、球型ディスプレイがより適していると考えられ、それぞれ別の進化をたどることになりそうだ。
参照元:Spherical display brings virtual collaboration closer to reality/ScienceDaily