・熱と少量の圧力だけで高品質PETの再生を実現
「VolCat」の利点は熱と少量の圧力だけで、粉砕されたプラスチックを消化してきれいにできるところ。従来のリサイクルは洗浄や分別に時間がかかる上、粉砕の過程でPET分子そのものに傷かつくため、質の低い再生品しか生み出すことができなかった。「VolCat」では化学触媒との組み合わせ工程で新しいPETに使用可能な材料から食品残渣、のり、汚れ、染料、顔料などの汚染物質を分離。最終的にはモノマーと呼ばれる白色粉末の物質となり、これをポリエステル反応器に直接供給することで真新しく、高品質なプラスチックの製造を実現する。
・今後5年間で世界規模の技術普及をめざす
IBMは今後5年間で、「VolCat」のようなプラスチックリサイクルプロセスを世界中で展開できるよう技術の革新に臨んでいくという。プラスチック製ストローの全面廃止運動など、昨今はプラスチック製品に対する世間の風当たりも強くなっていきている。今回のような技術開発を皮切りに、リサイクル技術の見直しが世界規模で成されることを願う。
IBM Research