現在、米国の果樹園において、リンゴ、梨、アーモンド、チェリーの人工授粉に活用されている。
・ドローンで上空から効率的に花粉を散布
「Dropcopter」は、事前に設定したルートに沿って、樹冠から10フィート(約3メートル)上空をドローンが飛行し、授粉が必要な樹冠にのみ花粉を直接散布することで、人工授粉の効率性を上げ、無駄を軽減するのが特徴。また、ハチの活動が鈍くなる寒い季節や夜間などでも自動で人工授粉できるため、花が咲くわずかな期間を有効に活用できるのも利点だ。
「Dropcopter」を導入することで、果実やナッツの収穫高を25%から50%程度増やすことができるという。
・ハチの授粉を補完もしくは代替させるソリューション
世界には2万種以上のハチが生息し、食料全体の3分の1の授粉を担っている。とりわけミツバチは最も効率の高い花粉媒介者であり、米国では、ミツバチによる授粉の経済価値が年間150億ドル(約1兆6613億円)から200億ドル(約2兆2149億円)にのぼるが、1950年以降50年間でミツバチの巣が大幅に減少している。
「Dropcopter」は、ミツバチが従来担ってきた授粉の役割を補完もしくは拡張することによって、果樹園での農業生産性を高め、収穫高の向上に寄与するソリューションといえるだろう。(文 松岡由希子)
Dropcopter