ディズニーのアニメーターのJoaquin Baldwin氏が、音声を変換できるあるアプリを使って、猫のニャンニャン鳴く声がT-ペインのような甘いラップ風に変換された動画をアップしている。音楽的な猫の鳴き声は新鮮でユニークだ
・自動音程解析アプリ「Voloco」が人気
そのアプリとは、ここ数年でローンチされた「Voloco」という無料のiOS、Android向け音程解析アプリだ。さまざまな人がTwitterなどのSNSで、犬の吠え声を美しいハーモニーの音声に変えたり、つぶやき声をラップ風に変えたりして、動画をアップして楽しんでいる。そもそも、「Auto-Tune(オートチューン)」 とは、Antares Audio Technologies社が開発した音程補正用ソフトウェアのこと。Kanye WestからImogen Heapまで、あらゆる種類の曲で使われており、すべてのフレーズで音の高低を補正してくれる。とはいっても、明らかに“補正が入っている”と認識させることなく、揺れる音程を微妙に補正するため、聴いていてもどこで補正が入っているかわからない。
・Cardi Bのアルバムにも音程調整が使われている
ミキシングエンジニアの Leslie Brathwaite氏は、先日グラミー賞を受賞したCardi Bのアルバム「Invasion of Privacy」にも、「Auto-Tune」「Melodyne」のほか、さまざまな音程調整ソフトウェアを使用していると語っている。例えば、“Be Careful” という部分に使用して、音の調子や音色を調整しているという。あくまで改変ではなく、改良の手段として使うもので、聴いていても機械的な音声は聞こえてこない。・音程調整からミキシングまで本格的な機能が満載!
「Voloco」をダウンロードすると、いくつかのチュートリアルが提示される。ヘッドフォンをスマートフォンに差し込むと、ユーザー自身の声をモニターすることができ、今から録音するのが音声だけ、あるいは音声と動画なのか選択し、エフェクトや曲調といった項目を選んだら、ボタンを押して録音開始。とてもシンプルな利用手順だ。アプリでは、“自然な音”“コーラス”といった音程補正のスターターパックが用意されていて、ユーザーの声にハーモニーを加えられる。ただ、“P-Tain”“Bon Hiver” “Duft Pank”のような音声にしたいなら、課金のオプションを購入する必要がある。
エフェクトや長短音階といった音階を選んだり、ブルース風にしたり、半音階にしたりできるほか、ビートをつけることも可能だ。
また、基本的なミキシングパラメーターを調節する機能もあり、エフェクトの強弱、アルペジエーターのセットがおこなえるほか、EQプリセットのようなオプションがあり、圧縮や残響効果をつけたりもできる。
簡単に使えるのに奥が深い「Voloco」は、プロシューマーやセミプロ向けにもピッタリ。開発会社では近いうちに無料のプラグインバージョンのソフトウェア(Windows用の「VST3」、Mac用の「AU」)について発表するようだ。
音声変換して気軽に楽しむもよし、セミプロ顔負けのミキシングに凝るもよし。「Voloco」は幅広いユーザーに受け入れられそうだ。
Voloco
The Verge
Autotuned the cat because he won't shut up in the mornings. I don't know how this helps but I did it anyway. pic.twitter.com/JjOrSttEak
— Joaquin Baldwin (@joabaldwin) 2019年2月18日