移民の多いエリアにあるフロリダ大学の研究グループは、1滴の唾液で治療困難と言われるマラリアの発症を見破る新たな検査手法を開発した。
・既存の血液検査に代わる手法
現在、マラリアの検査には血液を採取する手法が採用されているが、その際に行われる皮膚プリックテストは子供やその両親にとって多大なストレスとなり得る。そのうえ、そのような検査手法は決して信頼度が高いとは言えず、特に無症状の場合には感染を見逃す恐れがある。
そこで、従来の検査手法に代わるものとして開発されたのが唾液によるテストである。マラリアはオスよりもメスのマラリア原虫から運ばれてくるケースが多い。今回の検査はそのような場合の感染阻止に適しているという。
・症状が現れる前に検知可能
基本的に、試験管に唾液を垂らすのみで完了するため、病院外の施設、例えば学校や、様々な人が集まるコミュニティセンターなどに検査拠点を設けることも可能である。
また、症状が現れる前にマラリアの発症を検知できるため、早期介入による感染拡大防止に期待が持たれている。研究内容の詳細は2019年1月2日、科学誌『サイエンス・トランスレーショナル・メディスン』の電子版に掲載された。
University of Florida