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障害者が車椅子を操作する画期的な技術が開発中 従来比3倍の速度で動作可能に

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Tongue-Controlled-Wheelchair人間は脊髄を大きく損傷すると、体に麻痺が起こることがある。特に四肢麻痺の人にとって、車椅子で移動するのは大きな苦労を伴う。そんな人々の助けになろうと開発中の技術が、“舌で車椅子を動かすシステム”である。Georgia Institute of TechnologyのエンジニアMaysam Ghovanloo氏を始めとする開発チームでは、11人の四肢麻痺の人、23人の健常者を対象に臨床実験を積み重ねてきた。これまで四肢麻痺の人たちをサポートするテクノロジーとして、ストローを使用し、吸ったり吹いたりする動きによって操作する方法はあった。しかし、この新しいシステムを使えば、3倍の速さで車椅子に指令を与えて動作させることができるという。

“舌で車椅子を動かすシステム”を作動させるためには、チタニウムを組み合わせた、レンズマメ程度の大きさのマグネットを舌に刺しておく必要がある。このツールにはワイヤレスのセンサーが内蔵されており、装着者の舌の動きを察知し、磁場の変化を測定する。これらの電気信号情報はスマートフォンに送信されて、舌の位置によって特定される指令として変換後、車椅子が動作するという仕組みだ。

しかし、話しているときや食事しているとき、どうしても舌は動いてしまう。その問題をクリアする対策もきちんととられている。まず、話している行為の間、舌は通常、前と後に動くもので、あまり横への動きをすることはない。そのため、このシステムでは前後の舌の動きは無視するように設計されている。また、食事中はどうしても、舌は前後左右あらゆる方向に動いてしまうので、頬に舌を当てるようにして3秒間静止させることで、“スタンバイモード”にすることができるようになっている。解除するときも同じ舌の動作をすればよい。

外出に多くの支障があるため、これまで多くのことを制限されていた四肢麻痺の人も、新しいシステムによって、これまで以上に自立して行動できるようになり、生活が便利になるだろう。また障害者だけでなく、その家族や介助者たちにとっても、負担が大きく減ることになるほか、保険全体のコスト削減にもつながる。いち早く、技術が確立して一般に普及していくことが期待される。

tongue-drive system to steer a wheelchair

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