この買収でWiTricityはクアルコムが持つ特許にアクセスできるようになり、一方でクアルコムがWiTricityの株主になるなど、一体となってEV非接触充電のスタンダード構築に取り組むことになりそうだ。
・トヨタも契約の技術
マサチューセッツ工科大学のスピンオフ企業WiTricityは、パッドの上に停めたEVに磁場を介して給電を行うシステムを車メーカーなどに提供している。2016年にGMとの提携のもとにプロトタイプを発表。その後、さまざまな企業への技術提供を進めていて、トヨタとも昨年ライセンス契約を結んでいる。
・確固としたシステムに
一方のクアルコムは2011年にオークランド大学が開発した技術Haloを買収して独自に開発を進めてきた。アプローチは若干異なるようだが、ワイヤレスでEVを充電するという点ではWiTricityもクアルコムも同じだ。今回の買収で、WiTricityはクアルコムが持つ新たなワイヤレス充電に関する特許1500件余りにアクセスできるようになり、それぞれの技術を補う形でシステムを確固としたものにできる。
今後視野に入ってくるのが、ワイヤレス充電のスタンダード構築だ。技術として一本化されれば、あらゆるところで同じシステムを使うことができ、ユーザーの利便性向上に貢献することが期待される。
WiTricity News Release