家具選びは、部屋の間取りや個人の趣味嗜好も関係してくるし、資金も時間もかかるため、失敗したくないという人も多いはず。
そんな人には、各ユーザーのニーズに合わせて、オーダーメイドで気軽に家具を発注できるサービス「EMARF」がよいかもしれない。オンデマンドでオーダーメイド家具を出力できる自律分散型地域生産プラットフォーム「EMARF」を運営する、VUILD株式会社の建築家で代表取締役CEOである秋吉浩気氏に、サービスについて詳しいお話を伺った。
・ユーザーのニーズに合わせてオーダーメイドで家具を出力できる「EMARF」とは?
Q1.オンデマンドでオーダーメイド家具を出力できる自律分散型地域生産プラットフォーム「EMARF」とは、どのようなサービスですか?弊社ではこれまで、3Dプリンタ感覚で木材を加工できるデジタル切削機Shopbotを、全国32か所の製材所・材木屋・工務店に対して導入を行ってきました。
EMARFは、オンライン上でユーザー自身が自由に家具を設計することができ、その設計したデザインをこれら32か所の施設でオンデマンド出力が可能なサービスです。
これにより、出力先は現地の材料をストックしておき、ユーザーからEMARFを介してデータを受信するだけで、オリジナル家具をプリントする事が可能になりました。
・デザインテンプレートを用意し、ユーザーが自分好みに調整できる
Q2.「EMARF」は、どのようにしてアイデアが着想され、開発が進められたのでしょうか。Shopbotの導入先で問題となったのが、エンドユーザーの繊細なニーズに応えることのできるデザイン人材が周辺にいない点と、デジタルツールの会得に時間がかかる事でした。そこで、EMARFではデザイナーがあらかじめ製作したデザインテンプレートをユーザーが自分好みに調整して設計する方法を考案しました。
木工やデジタルツールの専門知識がない方でも製作に参加できるようになり、一方でデザイナー側にも新しいビジネスモデルを提供できるようになりました。
・地域で受注し、加工ができる
Q3.既存の“家具販売”“家具製作”サービスとの差異は何でしょうか。目指すところを教えてください。既存の家具業界の製品の提供の仕方と、真逆である点です。山を丸裸にした材料を寄せ集めて製造を行う中央集約型の生産体制と異なり、地域の持続的な環境形成を支援すべく、地域で受注し地域材で加工を行う点です。Q4.2018年12月13日に、「EMARF」を体験できるデモイベントを開催したとのことですが、当日の様子、参加者の声などをお聞かせください。
また、このように小回りの利く生産体系になっているため、ユーザーの繊細なニーズに応えることができ、デジタル加工を前提としているため、一品生産の家具を安価で高品質で提供することが可能になります。
200名以上のご応募をいただいた結果、限定60名の方々にご参加いただきました。当日は、EMARFを用いた棚の設計から組立までのデモンストレーションを行いました。Q5.今後の展開、展望があればお聞かせください。
多数の貴重なご意見をいただきましたが、特に家具のカスタマイズ感のレベルや、木材樹種の選択範囲、プラットフォームを通じてコミュニティを構築することの重要性など、我々が今後追求していきたい要素について具体的にご提案いただくことができました。
サービスの正式ローンチが4月頭に控えており、正式版では出力可能な拠点数や、選択可能なデザインテンプレートが大幅に増え、UIも刷新されます。全国から場所を選ばず、個人のニーズや好みに合わせて、オーダーメイドで家具を発注できるという斬新なサービス。ぜひ機会があれば利用してみたい。
EMARF(エマーフ)