このエンジンは、Primeと呼ばれる開発中のロケットの2段目に搭載され、2021年の打ち上げを目指している。
・まるごと3D出力
エンジンというのは、さまざまな部品を組み立てて作られているのがほとんどだが、Orbexのものはエンジンをまるごと3D出力している。このメリットはというと、ジョイントや溶接がないので、そのぶん強度を確保でき、また軽量化をはかれることだ。実際、このエンジンのおかげでPrimeは同じクラスの他のロケットに比べ30%重量が軽く、さらに20%効率が良いのだという。
Orbexによると、このロケットはまたバイオマスや汚泥物、農業廃棄物からつくられるバイオプロパンを燃料とし、二酸化炭素の排出を抑制できるのもポイントとのこと。
・英国政府も支援
多くの人がOrbexに馴染みがないと思うが、同社は“ステルスモード”で開発を進めてきて、昨年英国政府が巨額の資金を提供するなどしてにわかに脚光を浴びている。Primeの詳細は明らかにされていないが、小型ロケットで100〜200キロほどの衛星打ち上げに使用される見込み。
すでに2021年に英国スコットランドのサザーランドから打ち上げられることが予定され、同国にとって1970年代以来の国産ロケット打ち上げとなる見込みだ。
小型衛星の商業打ち上げは世界中のさまざまな企業が参入していて、今後さらに競争が激化することが予想されている。そうした中で、高効率がOrbexの武器にりそうだ。
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