いま、地球温暖化によるさまざまな影響が懸念されているが、当研究は、この地域の温暖化現象を理解するのに役立つ。
・お湯を使って2152メートルの海底に到達
2019年1月上旬、研究チームはお湯を使った連続63時間の掘削後、地下2152メートルの海底に到達し、掘削穴から計器を入れて水圧や氷の温度、氷の変形を記録した。BEAMISHと呼ばれるこのプロジェクトは、氷の流れと氷床の歴史の理解を深めて、西南極大陸の将来予測を改善することを目的としている。BASの主導で、米英の大学と米国国立科学財団が共同研究を行っている。
・将来の海面上昇について、より確実に判断
BASの研究者は、「私たちは、温かい海水が西南極の氷河を多く侵食していることを知っている。氷河の下の堆積物の滑りやすさと、堆積物が大陸から海に流れ込む速さが分かれば、西南極が引き起こす将来の海面上昇について、より確実に判断できるようになる。」と語っている。
研究チームは、これまでに2つの穴を開けた。2月中旬まで、数キロ離れた氷上で作業を続けるという。今後のさらなる研究が期待される。
British Antarctic Survey