Bloombergの報道によると、会社側は弁護士を通してジョージ・W・ブッシュ大統領時代の先例(企業が従業員の電子メールシステムの組織化を禁止できる権利)について、National Labor Relations Board(全米労働関係委員会、以下NLRB)に秘密裏に働きかけていたとのこと。
・企業が罰する権利を取り戻したい
ブッシュ政権下で許可されていた企業の独裁的とも言えるこの権限は、オバマ政権で覆される。NLRBは従業員が職場の電子メールシステムを使用して署名運動や嘆願書を配布する権利を認めた。その好例となったのが手話通訳会社Purple Communications。同社では2014年に嘆願書の回覧やウォークアウトの扇動、および組合結成の試みなどのために職場の電子メールシステムを使用したことで企業が従業員を罰することを禁止した。
Googleの弁護士が要求しているのは、この前例を元に戻すこと。つまり、上記のような理由で電子メールを使った従業員を罰する権利を取り戻したいということだ。
・世界各地で勃発する抗議活動の抑制!?
昨年話題となったセクハラ抗議運動をはじめ、同社では従業員の抗議活動が世界各地で激化している。Purple Communicationsの前例が作用し、同社では抗議活動を扇動した従業員を直接罰することができない。そのため現時点では経営陣の誰かが当事者を呼び出し、なだめすかしながらやんわりと説得しているという。しかし、企業に権限が復活すればいちいちそんな面倒なことをしなく済む。NLRBの担当者も「Googleの要求が通れば会社は従業員に対し、巨大な萎縮効果を持つことになるだろう」と語っている。
この騒動、どこに落ち着くのか。続報を待ちたい。
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