実際、そうした脳トレゲームアプリ「Decoder」が一般向けに展開されている。
・数字を使ったパズルゲーム
Decoderの開発を手がけたのはケンブリッジ大学で行動・臨床脳科学を専門とするチーム。このアプリは、与えられたミッションをこなしていくというストーリーの中でゲームをする。その中には、連続する3つの数字を特定するパズルのようなゲームが含まれている。研究では、健康な成人75人をDecoderをするグループ、普通のビンゴゲームをするグループ、何もしないグループの3つに分け、Decoderとビンゴのチームには1時間のゲームセッションを1カ月に8回受けてもらった。
・注意・集中力が改善
試験に際しては、前後に全員を対象に統合失調症など精神疾患の評価に使われるCANTABというテストを実施した。そして試験期間の終わりに行なったそのテストで、Decoderのグループが他の2つのグループより目覚ましく注意力や集中力が高まっていることが確認されたという。研究チームは、ADHDや統合失調症などの症状を改善させる目的でリタリンやニコチンなどの刺激物を使うが、そうしたものと同じような効果がDecoder使用者に認められた、としている。
このゲームはアプリデベロッパーPeakに技術移転され、「Peak Brain Training」としてApp Storeでリリースされた。ダウンロードは無料となっていて、誰でもアクセスできる。
もっとも、この研究には「DecoderがCANTABに類似しているからそうした結果になっている」と指摘する声も寄せられているとのことで、やはり試すなら眉唾くらいで臨むのが良さそうだ。
University of Cambridge