ITウェブメディア“DIGITAL TRENDS”は、この技術が住宅のスマートホーム化に役立つのではないかと述べている。まず、余計なデバイスを購入せずに済む。電気のオンオフや温度のコントロールするために、たくさんのマニュアルと格闘する必要もない。
・たった1つのセンサーでスマートホーム化が可能に
この見解を裏付けたのがスコットランドのセントアンドリュース大学。同大学ではグーグル製センサーを使用し、オブジェクトとの相互作用を詳細レベルで検出するため、さまざまな実験を試みた。まず、配られているカードの数を追跡したり、チップを数えるといったカウント検証。応用実験としてクレジットカード認証やレゴブロックの形状認識も行われた。結果はすべて成功。画像認識なしで検知できることを証明した。
チームは実験結果を受けて、「Project Soli」のセンサーがスマートホームに導入できることを示唆。これに関してセントアンドリュース大学のアーロン・クイグリー教授は次のように語っている。「家庭内で使われている設備を動かすのに、多くのシステムは不要かもしれない。より適切にアプローチするなら、相互作用を感知できる1つまたは2つの要素(システム)で十分事足りるのではないだろうか」。
・プライバシー侵害の心配もなくなる!?
さらに彼はこうも述べている。「Soliインタラクションを利用することで私たちは、日用品のみでコンピューターと対話することができます。例えば物品の検知。普通のやかんやコップにセンサーを入れておくだけで検出が可能です。家の中のあらゆる物がコンピューターと通信する手段になります」。現状のスマートホームデバイスには、ユーザーの画像認識や生体感知が不可欠なものが多い。ともすれば個人情報漏えいや、プライバシー侵害のリスクを背負うことになるだろう。小型レーダーのみで操作ができるようになれば、そうした不安からも解放される。
Project Soliセンサーはつい最近、米国連邦通信委員会より57〜64ギガヘルツの周波数を使用する許可を得た。これは一般的なガジェットで許可されている周波数よりも高い数値であり、適応するアプリケーションの数を増やすことが可能となる。大学側が主張するように、レーダー1つでスマートホーム化するのも夢ではないかもしれない。
souce by DIGITAL TRENDS