民泊の管理業務で必須となる、鍵の受け渡しサービスを世界的に展開する「Keycafe」が、トヨタ自動車や三井住友銀行が出資する「未来創生2号ファンド」など、複数の投資家からの資金調達を実施したと発表した。
・トヨタ自動車、三井住友銀行が出資する「未来創生ファンド」
「未来創生2号ファンド」を運営するスパークス・グループ株式会社は、1989年に創業した投資会社。2015年にトヨタ自動車株式会社、株式会社三井住友銀行の3社で始めた「未来創生ファンド」は、未上場ベンチャー企業投資の中心的なファンドで、グループ全体の運用資産残高は、2018年11月末時点で1兆1968億円に上る。「未来創生2号ファンド」は2018年7月末に設立。「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」「電動化」「新素材」の分野において革新技術を持つ企業、プロジェクトを投資対象にしている。2018年11月末時点の運用資産残高は、「未来創生1号ファンド」とあわせて600億円となっている。
・世界的に展開しているカナダのスタートアップ「Keycafe」
一方、“民泊やシェアリングエコノミー用鍵受け渡しサービス”「Keycafe」は、本社をバンクーバーに置く2013年創業のスタートアップ。22個のキーボックスとタッチパネルを備えた「Keycafe Smartbox」を使って、鍵の受け渡しを遠隔でおこなえるサービス。世界45都市、800箇所以上で展開しており、100万回以上の鍵の受け渡し実績がある世界最大手の会社だ。国内では、東京・大阪・福岡・那覇などのローソンやカフェの45ヵ所に端末を設置しており、誰でもオンラインで登録すれば利用可能。端末は常時ネットにつながっているIoT端末で、アプリやWebから鍵の持ち主が遠隔でゲストや知り合いに鍵へのアクセス権を付与することができる。このアクセス権はゲストごとに変更したり、一定期間のみ有効のアクセス権を設定することもできる。
・日本の宿泊事業法に合致する“本人確認・宿泊台帳機能”が追加
全てのプロセスが無人、 かつ遠隔から管理できるため、鍵の持ち主・利用者ともに鍵の受け渡しが簡単に手軽におこなえるのは大きなメリット。Airbnbやbooking.comなどの宿泊事業における鍵の受け渡しや、カーシェアリング、家事代行、貸会議室などのシェアリングエコノミーで活用されている。さらに、2018年からは“本人確認・宿泊台帳機能”が追加され、宿泊事業の無人チェックインを可能にするサービスを展開している。おかげで、日本の住宅宿泊事業法で必要とされる本人確認・宿泊台帳にも対応可能になった。鍵の受け渡しを行う前に、本人確認やパスポート情報をゲストから入手して、宿泊施設のチェックイン無人化・省力化を実現する。
今回の出資について、アジア太平洋地域代表・日本法人社長の小河内亮氏はコメントを寄せている。
「『Keycafe』は民泊やカーシェアリングをはじめとして、あらゆる鍵の受け渡しや入退出管理に使えるサービス。不動産事業者やビル管理業者様からの問い合わせも多い。『未来創生2号ファンド』からの出資を活用し、多様な事業者様により使いやすいサービス・端末の開発、および世界展開を加速します。」
今後、拡大が見込まれる民泊やシェアリングエコノミー。ネックとなる“鍵の受け渡し”を簡易にスムーズにしてくれる「Keycafe」は、私たちの身近な存在となっていきそうだ。
キーカフェ・ジャパン合同会社
スパークス・グループ株式会社
民泊やシェアリングエコノミー用鍵受け渡しサービスのKeycafeが未来創生2号ファンドから資金調達 PR TIMES リリース