オフィス環境や日常生活だけでなく、子育てにも役立つタブレット/スマホアプリが充実して来た現在。
子供の知育を助けるアプリの開発・販売を手掛けるスマートエデュケーションは先月11月17日、知育アプリの日本市場で1位となる、累計500万ダウンロードを達成した。NHKや有力コンテンツとの提携も次々と進み、更に加速させているスマートエデュケーション代表取締役、池谷 大吾氏に話を聞いた。
Q. スマートエデュケーションは2011年の事業開始以来、幼児・子供向け知育/遊びのスマートタブレットアプリの業界で、人気のアプリを多く販売しています。そもそも、このサービスを始めるようになったきっかけは?
「実は起業前に明確な事業計画はなく、漠然とソーシャルゲーム事業をやろうと思っていました。しかし、『サイバーエージェント・グループから卒業して起業しようとしているのに、同じようなビジネスを手掛けることに意味があるのか』と考えるように。『著名な経営者と同じように、チャレンジするならゼロからだ』と思い直し自問自答の日々が続きました。そんな中、目についたのが自分の息子(当時幼稚園)の行動でした。私のiPhone を熱心に触っていたのです。ガラケーをあまり触わろうとしなかった息子が、スマホに夢中になっている様を見て、『子供はこんなにもスマホに夢中になるのか!?』、『スマホを未就学児の教育に活用できるにちがいない』と気づいたことが、新たな事業誕生のきっかけとなりました。」
Q.まさに未来のユーザーからインスピレーションを受けたんですね!どのアプリが一番人気ですか?
「当社のアプリ全15種の累計ダウンロード数は、既に520万を突破(12/4現在)。絵本アプリの『おやこでスマほん』が累計数では断トツですが、ここ2か月は、フィルタリング&タイマー機能を無料で利用できる『こどもモード パパママ・アプリ』の人気が高いです。」
Q.子供は集中すると何時間でも同じ物で遊んだりします。テレビを見すぎるのと同じで目への影響が懸念されますが、ユーザー幼児・子供の親御さん向けに注意点はありますか?
「11月1日に『乳幼児の適切なスマートデバイス利用に関する5つのポイント』を発表し、大きな反響を得ています。(中略)社会全体で、乳幼児とスマートデバイスの適正な関係について考えるようになりました。簡単に5つのポイントを挙げると・・・
1:親子で会話をしながら一緒に利用しましょう
2:創造的な活動になるよう工夫しましょう
3:多様な体験ができる機会を作りましょう
4:生活サイクルを守りながら使用しましょう
5:親子でコミュニケーションを取りながらアプリを選びましょう
詳しくは当社Webサイトでご確認ください。」
Q.スマホアプリ業界は外国語に翻訳すればすぐに世界市場が見えてくると言う利点があります。今後の世界展開も含めた、社長の意気込みをお聞かせください。
「これまでは、『こどもモード』という知育アプリブランドで、主に日本国内に向けて事業を展開していましたが、海外展開を狙った『Gocco(ごっこ)』という新ブランドを立ち上げ、11月21日に第一弾の知育アプリ『Gocco ZOO』をリリース。すでに世界中でダウンロードされています。この『Gocco』シリーズの特徴はノンバーバルであるということ。子供に対して言語での説明は無く、直感的に楽しめるようになっています。翻訳をする必要もなく、一気に世界展開をしています。これからの間、立て続けに『Gocco』の新作アプリをリリースし、そのあとは4半期に1本は良いものを出していくプランです。我々が常に心がけているのは量で勝負するのではなく、ひとつひとつのクオリティで勝負し、世界中の親子に指示されるブランドを築いていこうと考えています。」
Q. 今後御社ではどのようなサービスを提供して行きたいですか?
「当社の社是は『世界中の子ども達の”いきる力”を育てたい』です。今はスマートデバイスでコンテンツを提供するのがベストだと考えていますが、リアル玩具のようなものを提供することも将来的にはあり得ると思います。将来の子どもたちが『こどもモードやGoccoで遊んだよね』というような世の中にしたいと考えています。その上で、世界中の子どもたちの『いきる力』向上に貢献出来れば、と考えています。」
12月中は、500万ダウンロード突破を記念して、「こどもモード」アプリユーザ向けにジングルベルなどの楽しい楽曲が無料でもらえるリスマスキャンペーンも実施中だそう。
サービスインからちょうど2年の日本発ITベンチャー。知育アプリの世界市場を見据えた今後の発展に期待したい。
(Writer: Saera Jin)