セミコンダクタ大手のNVIDIAは、米国シアトルにロボット研究所を開所した。人工知能や機械学習など先端技術を使った、人と共に働くようなロボットの開発を行うとしている。なかでも現在注力されているのがキッチンで人をアシストするロボット“キッチン・マニピュレーター”だ。
・引き出しを見つけて開ける
キッチン・マニピュレーターは車椅子のように車輪がついたベースから長いアームが伸びる。このアームの先は人の手のようにものをつかむことができる。ものをただつかむだけならさほど目新しくはない。マニピュレーターで注目すべきは初めの場所でも“目にした” 状況に対応できる点だ。カメラでとらえた周囲の様子のデータを取り込み、それをもとに次の行動に移せるのだ。
たとえば、戸棚や引き出しがあることを認識して、次にそれらをあけるという動作につなげられる。
・工場や病院向けにも
これを発展させれば、必要な器具や食材などを取り出して料理の工程をサポートし、使い終わったものを元に戻すという一連の動きができる、としている。料理番組では、主役の料理研究家のそばでこまごまとした作業を引き受けるアシスタントがいるが、イメージとしてはそのアシスタントに近いかもしれない。
もっとも、NVIDIAが目指すロボットは料理だけでなく、工場や病院などでも人をサポートするものとのこと。約50人のロボット研究者が働くこのラボではすでに12のプロジェクトに取り組んでいて、ここから人の暮らしに寄り添うロボが生まれる日はそう遠くなさそうだ。
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