・従来のシステムでは対応しきれない複雑な問題を処理
テクノロジーの発展と引き換えに、現代はコンピューターなしではインフラさえ成立しない社会となった。そのため、従来のシステムでは対処しきれない問題を多く抱えている。この「IBM Q System」は、そうした複雑な問題に取り組めるよう設計されたもの。実用例として、AIプロダクトの研究開発やグローバル化する株式市場での計算、財務データをモデル化する新しい方法、新たな物質・薬品の発見などが挙げられる。
システムには連携動作ができるよう、最適化された統合アーキテクチャーに複数のコンポーネントを内蔵。設計とデザインはIBMのシステム・エンジニアを中心に、英国の工業インテリアデザインスタジオMap Project OfficeとUniversal Design Studioが協同で手がけた。
本体の外観はコンパクトかつ洗練されたモジュール型。ビジネスでの継続的な使用を考慮し、このような形にしたという。全体のサイズは全辺約2.7メートルの立方体で、アルミニウムとスチールのフレームを厚さ約13ミリメートルのガラスで囲んでいる。CES 2019でもこの仕様で展示し、大きな反響を呼んだ。
・今年後半を目処にコンピューティングプログラムを拡張予定
冒頭で述べたコンピューターセンターは、今年の後半を目処に準備中。ヨークタウンの「Thomas J. Watson Research Center」のシステムを含めた、同社の商用量子コンピューティングプログラムを拡張する予定だ。拡張後のシステムには学術研究機関、国立研究所から成る世界規模のコミュニティー“IBM Q Network”のメンバーをはじめ、大手企業や数百社のスタートアップなどがアクセス可能になるとのこと。
IBM Q System One™