・事件解決に陸軍の影
事件が起こったのは、12月19日の夜。複数のドローンが、敷地のフェンスを越え、滑走路に侵入する事態が相次いだ。サセックス警察は、安全のため、21日午前6時半まで、滑走路を閉鎖。約1000便が欠航、もしくは目的地変更となった。3日間の閉鎖を経て、21日の夜に犯人の男女を逮捕。一応、事件そのものは解決した。国民の不安を煽ったのは、その手段。警察は一連の騒動を抑えるため、英国陸軍に支援を依頼。軍用グレードのアンチドローン装置を使って、ドローンと犯人の捕獲を成し遂げた。システムを開発したのはイスラエルの防衛請負業者Rafael社。無人機の無線信号を妨害し、飛行機を安全に着陸させることができるという。
・ガトウィック空港とヒースロー空港がアンチドローンシステムを導入
犯人逮捕後、軍は即刻空港から装置を撤去している。しかし、ガトウィック側は今回の事件を受けて、アンチドローンシステムの独自導入を決意。軍用グレードの装置を設置するため、巨額の費用を投じたことを明らかにした。これに賛同するかのように、ヒースロー空港でも同様のシステム購入に踏み切っている。イギリスでは、ドローン人気と相まって、ここ数年、航空機をめぐるトラブルが多発している。グレイリング運輸相は、ガトウィック空港での事態に対して「これまでイギリスが経験したことのない出来事」とコメント。政府の方針として、ドローン規制の強化とともに、利用者の年齢制限なども検討する予定だ。
年が明けても、事件そのものはいまだにしこりとなって国民の記憶に残っている。ドローンがいかに、交通インフラの脅威となるか、その対策を含めて、大きな課題となったのは間違いない。
souce by THE VERGE