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医療用ロボットスーツ「HAL」を作る日本企業Cyberdyne、2019年にはアメリカの5施設で展開へ

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脊髄損傷患者が脚を動かそうとする際、脚に届く信号が弱すぎることがある。神経信号を増幅して動きを補助し、しかもバイオフィードバック機能によって神経活動を強化していくのが、Cyberdyneの医療用ロボットスーツ「HAL」だ。

同ロボットスーツは、2018年3月にはFDA(米国食品医薬品局)による承認を取得。アメリカにおいてリハビリ施設での正式な活用が認められた。

フロリダ州ジャクソンビルにあるBrooksリハビリテーションは、当初HALを活用できるアメリカで唯一の施設だったが、今年はアメリカの5つの施設でHALが展開されることになりそうだ。

・自力で脚を動かすことを目指したリハビリを提供

リハビリでは、脚に9本の電極を装着。電極はかすかな神経信号を検出してHALに送る。まず制御システムが信号を解読し、ロボットスーツが意図した運動を補助する。

さらには、運動が完了したというフィードバックを患者に送り、脳と筋肉の間の信号を強化する。最終的にはHALなしに自力で脚を動かせるようになるのが目的だ。

ReWalkやEksoGTといった医療用ロボットスーツも、患者の意図した動きを補助してくれるが、基本的に着用し続けることが前提となる。

・7人の患者全員に治療効果が認められる

Brooksでは、HALの活用を希望する200人以上の患者をスクリーニングし、そのなかの18人に治療プログラムを施してきた。

これまでに7人の患者がHALによる治療プログラムを完了。その全員で、姿勢の保持、膀胱や腸機能のコントロール、心肺機能が向上といった効果が得られているようだ。

こうしたHALでの治療成果を定量化するために、Brooksは24人の参加者を対象とした3年間の臨床研究を主導しており、2019年にはジャクソンビルの施設を拡張してHAL用のトラックを12本にする意向だ。

・Brooksがバイオフィードバックシステムを拡張

リハビリ中に患者は、スクリーンで進捗状況を確認できる。スクリーンにはそれぞれの脚の筋肉の信号の強度を示すカラフルなチャートが表示され、どの筋肉が運動に関与しているかや、それらが時間とともにどれだけ向上しているかがわかる。

Brooks Cybernic Treatment Centerでは、この優れたバイオフィードバックシステムをもっと活用すべく、患者にとってわかりやすいウォーキングスコアや、臨床医のための詳細レポートを発行することを計画しており、アメリカにおけるHALの展開が加速しそうだ。

参照元:Cyberdyne’s HAL Exoskeleton Helps Patients Walk Again in First Treatments at U.S. Facility/IEEE Spectrum

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