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DNAをボードゲーム化!Caltechの研究チームが6日間かけてマイクロ三目並べにいそしむ

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カリフォルニア工科大学(Caltech)の研究チームは、「DNA折り紙」として知られる手法を用いてナノスケールのボードゲームを制作した。

彼らは以前にも、DNA折り紙を使って世界最小のモナ・リザを制作している。ただ同作品では、一度配置したDNAを再配置することができなかった。今回はモナ・リザ同様の手法を使って、あらかじめデザインされたパターンに配置できるタイプの動的なタイルを作り出すことに成功した。

この技術は、部品交換ができるナノマシンの開発に応用可能だ。

・DNAタイルをパズルのように配置できる

最初にDNA折り紙が開発されたのは10年以上も前。Caltechの別の研究者は、DNAを使ってスマイリーフェイスを制作した。

今回、研究をさらに進めることで、「X」と「0」のDNAタイルをボードに加えることによって遊ぶ、マイクロ三目並べを作り出した。

マイクロ三目並べには、2つのメイン技術により成り立っている。まず、DNAタイルの自己組織化だ。各タイルはジグソーパズルのピースのように振る舞うよう設計されている。しかもキャンパス上での自身の場所はあらかじめ決まっていて、自然とその場所に滑り込む。

次にピースを再配置する技術では、置換能力を持つDNAタイルを設計。タイルは指定された場所を見つけて滑り込み、その位置にもとからあるタイルをはじき出す。

・何百ものDNAの出し入れを同時に

これら技術にはDNAの鎖が結合する性質を利用している。DNAの各鎖は、塩基と呼ばれる4種類の分子で構成されている。アデニン、グアニン、シトシン、チミン(A-T-C-G)という塩基は、対をなして2重らせんを構成しており、AはTと、GはCと…といった相補的なペアと結合する。

例えば、「ATTAGCA」と「TAATACC」を組み合わせると、相補的な「ATTA」と「TAAT」の部分が結合する。これ以降の一致しない部分はぶら下がることになり、より強い結合がプログラムされたものに置換の隙を与える(共通の趣味の数とパートナー選択の関係にたとえられる)。

DNAタイルの配置/再配置は大きなスケールで上記の結合/再結合を行っており、一度に何百もの鎖を出し入れを伴うものだ。

・タイヤ交換のようなナノマシンの仕組み目指す

プレイヤーは空白のボードに、XタイルまたはOタイルを順番に追加していく。任意の場所への結合がプログラムされたタイルを選ぶと、各タイルはそこにあった空白のタイルを置き換えて滑り込む。

ちなみにゲームの結果だが、6日間の対戦の後プレイヤーXが勝利したとのこと。

研究チームの今後の目標は、この技術を使用して、修復が効くナノマシンを開発することだ。彼らは、車のタイヤ交換をするようにナノマシンのパーツ交換ができる世界を目指す。

参照元:Researchers Make World's Smallest Tic-Tac-Toe Game Board with DNA/Caltech News

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