当然、ごく少量の血液採取とはいえ、毎日指先に針を刺すことはできることならしたくない。そこで、サウジアラビアの研究者が開発中なのが、唾液で血糖値を測定できるストリップだ。
・酵素のレイヤー
キング・アブデゥッラー科学技術大学のバイオ科学者、電気エンジニア、材料科学者がタグを組んで開発しているストリップでは、血糖値を測るのに患者の唾液を使う。そのストリップというのは、まず伝導性のあるポリマーを含んだインクをマイクロスケールの電極パターンでストリップの上にプリント。その上にグルコースオキシダーゼとして知られる酵素のレイヤーをかぶせ、最後に高分子膜で覆う。
・シンプルな使用方法
そうしてできたストリップに唾液をかけると、唾液中のグルコースがグルコースオキシダーゼに反応し、電気信号を発する。その信号を電極が拾い、別のデバイスで読み込まれるという仕組みだ。ストリップの仕組みそのものは複雑だが、患者の使用方法としては唾液をストリップにかけ、結果をデバイスで確認するというシンプルかつ痛みを伴わないものになる。
研究チームは今後センサーにエネルギー自家発電デバイスを搭載するなど、ストリップをより患者が使いやすいものにしたいとしている。実用化はまだ先のことになりそうだが、糖尿病患者数は世界的に増加の一途をたどっていて、早期の商品化を期待する声が世界中から聞こえてきそうだ。
キング・アブデゥッラー科学技術大学