しかしそれは、どうしても大掛かりな機器になってしまう。巨大なボディーに巨大なレンズ、巨大な三脚。とても素人が扱えるようなものではない。
クラウドファンディング「Kickstarter」に出展された「NANO1」は、世界最小の天文撮影カメラである。手のひらに収まるサイズで、世界各国のテクノロジーメディアがこの製品に注目しているようだ。
・初心者でも手軽に天文撮影
NANO1のボディーの寸法は62.5×42×28.8mm。字面ではあまりピンと来ないかもしれないが、これは手のひらの上に乗せられるサイズだ。写真で見ると、恐ろしく小さいことが確認できる。重量は僅か100g。このボディーにM12マウントのレンズを装着する。センサーはソニー製IMX377。背面の液晶ディスプレイは2.33インチで、これはタッチパネルである。
天文撮影カメラだから、暗所での使用を前提にしている。実際に天の川を撮った画像をKickstarterのキャンペーンページに投稿している。望遠レンズを装着すれば、月のクレーターすらもはっきり撮影することが可能だ。
また、天文撮影は星座の位置に熟知していなければならない。しかしNANO1の専用アプリを使えば、カメラを向けている位置にどの星座が現れるのかを確認することができる。初心者でも天文撮影ができる仕組みだ。
・世界中から出資が相次ぐ
4K60解像度の動画を撮ることも可能なNANO1。マウントさえ適合すれば、望遠鏡にも設置することができる。小さいからこその妙技と言えるだろう。NANO1は現在、Kickstarterで出資を受け付けている。だが話題になっている製品だから、価格の安い枠から順次締め切られている状態である。2018年12月22日の時点で残っているのは、479シンガポールドル(約3万9000円)から。配送は来年3月を予定している。
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