都市部と農村部には大きな格差が存在し、それを是正するのが早急の課題となっているのだ。「スマホアプリを使ったシステム」が、この国では望まれている。
西ジャワ州バンドゥンのスタートアップ「eFishery」が、農村部での養殖漁業機械を生産し話題になっている。これもまた、スマホアプリと連動するものだ。
・大統領も視察に
eFisheryの養殖漁業用自動給餌器は、山間部の村落での利用を想定している。そもそもeFisheryの所在地バンドゥンは、山間地帯の都市である。堀を作り、その中に淡水魚かエビを入れて育てる。eFisheryの給餌機はそこに設置される。オペレーティングはすべてスマホの専用アプリで行い、給餌の時間や量、それに伴う日々のデータ等も表示してくれる。
機器に当初から液晶画面や捜査機構を内蔵しているわけではないから、その分だけコストダウンができる。インドネシアの一次生産者は機械化の流れから取り残され、それが生産低下にもつながっている。かといって、高価な機器は買えない。
eFisheryは、インドネシア全国16の州に進出している。ジョコ・ウィドド大統領がeFisheryの自動給餌機を導入する村落を視察したこともある。その際ジョコ大統領は、「Androidアプリによる社会発展」について言及した。
・ベンチャーキャピタルから資金調達
2018年11月、eFisheryはシリーズA投資ラウンドで400万ドル(約4億4000万円)の資金調達に成功した。アジア各国のベンチャーキャピタルも、この事業に注目している。インドネシアでは、スマホの価格が年々安くなっている。あらゆる機器をスマホに接続することで、より効率的なシステムを構築することができるのだ。都市部との格差に悩まされる農村部でも、スマホを軸とした技術革新が進んでいる。
eFishery