今度は、そのHAMRをベースに垂直の壁に登れる能力を持たせた「HAMR-E」を開発した。ジェットエンジンなど大型機械の内部の検査に使えるとしている。
・静電気でくっつく
HAMRは4本の足を持つ、昆虫デザインの小型ロボット。元々は陸上を歩くタイプだったが、そこに泳ぐ能力を加え、それをベースにさらにグレードアップさせたのが今回のHAMR-E。EはElectro-adhesionからきていて、電子粘着力を意味する。早い話、HAMR-Eの足のパッドが静電気の力を使って吸盤のように金属の表面にくっつくというものだ。
・カーブしているところでも
パッドはポリイミドという高分子で絶縁された銅電極でできていて、電場をオンにしたりオフにしたりとすることでパッドをくっつけたり、引き離したりできる仕組み。また、パッドはフレキシブルなのでカーブしている表面にも対応でき、表面が金属でありさえすえれば、基本的にどこでもペタペタとはい回れる。
そうした能力を持たせたHAMR-Eについて、開発チームは「平らな面を行ったり来たりするだけでなく、このロボットは3D的に動き回れる。ジェットエンジンのような大きな機械装置の内部点検を、機械を分解することなく行うのに活用できるのではないか」としている。
研究結果は専門誌Science Roboticsに掲載された。
Harvard Wyss Institute