しかし、自らの手でエネルギーを作る手段は確立されている。たとえば生ゴミからバイオガスを生成することは可能だ。
クラウドファンディング「Kickstarter」に出展された「Bio-Resy」は、自宅で手軽にバイオガスを生成するための装置である。テントと同様の感覚で設置できる点が注目されている。
・自宅でバイオガス生成
Bio-Resyは、ビーチボールやゴムボートと同じ仕組みの製品である。即ち、空気で膨らませる構造だ。使わない場合は空気を抜いて折り畳めばいい。使う時だけ空気を膨らませ、家の隣に置く。この中に生ゴミを投入するという仕組み。
1日に最大1000Lのガスを生産でき、ここからホースをつないでガスコンロに供給する。ガス灯に転用するのもいいだろう。ともかく、ガスを燃料源にする製品であれば対応可能だ。
それと同時に、Bio-Resyは液体肥料も生成する。この肥料を畑に散布し、野菜を生産することもできる。
このBio-Resyがもたらす最大のものは、「時間の節約」である。Kickstarterの該当ページでも言及されているが、燃料インフラのない地域に暮らす人々は1日数時間を薪集めに費やす。子供の場合は、それだけ学校に行く時間を奪われる。また、先進国では廃棄食料が問題視されている。Bio-Resyは、それらを同時に解消する手段になり得るのだ。
・究極のエコシステム
生ゴミを資源化するBio-Resyは、まさに「究極のエコシステム」と言えるだろう。外国から天然ガスを輸入するよりも、遥かに効率のいいエネルギーでもある。Bio-Resyは現在、Kickstarterで520ユーロ(約6万7000円)からの出資枠を設けている。配送は来年4月から。
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