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太陽エネルギーで水から高温の過熱蒸気を生成する画期的なデバイスをMITが考案

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米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、2018年12月、太陽エネルギーで水を沸騰させ、この水蒸気をさらに加熱して高温の“過熱蒸気”を生成するデバイスを開発した。

この成果をまとめた研究論文は、科学オンラインジャーナル「ネイチャー・コミュニケーションズ」で公開されている。

・太陽エネルギーを効率的に活用し、水から高温の過熱蒸気を生成

研究チームでは、2014年、泡状炭素をグラファイト(黒鉛)で覆った特殊素材を水に浮かべ、この特殊素材に太陽エネルギーを吸収させて、水から蒸気を生成する仕組みを考案したが、特殊素材が水と直接接触するため、水中の汚染物質によって劣化してしまうのが課題であった。

そこで、この特殊素材と水を接触させずに太陽エネルギーで高温の蒸気を発生させる、タブレット端末のようなサイズのデバイスを新たに開発。

この特殊素材を中心として、太陽からの短波長を吸収する金属セラミック複合材料を上部に、長波長の赤外線を放射する素材を下部に挟み込み、三層構造によって、太陽エネルギーを効率的に活用し、水を沸騰させる仕組みだ。

太陽熱は中心部の特殊素材でも吸収され、この熱を使って下から上昇してくる水蒸気を加熱し、過熱蒸気を生成。

過熱蒸気は、デバイスに装着されたチューブを通じて取り出すことができ、調理や掃除、医療機器の滅菌などに活用できる。

・調理や掃除、医療機器の滅菌など、様々な用途に活用できる可能性

研究チームが晴天の屋外でこのデバイスの実験を行ったところ、1時間半で100度に達した後、3時間半にわたって過熱蒸気を生成し、その温度は146度まで上昇した。

研究チームでは、今後、このデバイスの改善に努めるとともに、様々な用途への展開を検討していく方針だ。(文 松岡由希子)

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