同社はすでに、燃費を改良した船舶を展開しているが、完全ゼロエミッションの船舶は技術的に難しく、大きなミッションを自らに課した形だ。
・世界物流の80%
世界経済の成長に伴い、国境をまたいでの物流は増えていて、中でも海運量は年々増加傾向にあるのだという。実に世界物流の80%は海運に頼っている。その洋上運搬を環境に優しいものにしようというのが今回の取り組み。Maerskが目指しているのは2050年までにCO2排出をゼロにするというものだ。
・自家発電設備を搭載?
2050年というとあと32年ある。そんなに先なのか?と思う人もいるかもしれない。確かに、陸上では電気自動車が加速度的に浸透しつつあり、エミッションフリー化はそう遠くなさそうだ。ただ、長い航路に就く船舶を化石燃料に頼ることなく走らせるというのはそう簡単なことではない。電動化するにしても、洋上に充電施設はなく、船舶に自家発電設備が必須となる。しかもそれは、連続した航行に使う電気を賄うだけの性能と効率性を確保したものでなければならない。
一般に、貨物船舶の寿命は20~25年とされていて、それをもとに計算すると、2050年までにCO2排出ゼロにするためには2025~2030年に新船舶を導入することになる。
難しいチャレンジであることは間違いないが、今回の発表に伴い、同社のサイトには新たな船舶のティーザーがアップされていて、新技術の開発が着々と進んでいることがうかがえる。
Maersk